オススメ度 ★★★
1. 内容
初期研修医向けの治療薬マニュアルです。
当直・病棟での初期対応と代表的な薬剤がコンパクトにまとめられています。
内容は以下の3章にわかれています。
第Ⅰ章では「頻度の高い症状、緊急性の高い症状」の初期対応および鑑別診断のポイント、絶対に使ってはいけない薬、絶対に見落としてはいけないことが解説されています。研修医向けの救急・当直の本と内容はほぼ同じですが簡潔にまとまっています。
第Ⅱ章では「臓器・疾患別の治療薬」がまとめられ、各疾患の診断・治療のガイドラインが適宜紹介されています。治療薬の一覧表があるので、どんな薬がよく使われているのか一目でわかる構成になっています。薬剤の紹介は添付文書形式で少し味気ない印象です。
第Ⅲ章では抗菌薬、消炎鎮痛薬、抗がん剤、疼痛緩和薬、麻酔薬、輸液、漢方薬について記載されています。漢方薬は効果が明示されているのでイメージを掴みやすいようになっています。
2. 本書の特徴
初期研修医が各科をローテートするうえで最低限必要な知識がコンパクトにまとめられています。タイトル通り、「初期対応」「当直」「病棟」のお供として役に立ちそうな本です。初期対応から入院までの流れがわかりやすく、使う薬まで含めた各疾患のプロセスが理解できるのが特徴です。
3. おわりに
初期研修医向けの本であり、薬剤の詳細な使い分けについては研修先で積極的に学ぶか他の専門書で勉強する必要があると思います。
初期研修では、その科でよく使われている薬の知識が全くない状態でローテートするのと、本書のような“まとめ”を読んだうえでローテートするのとでは得られる経験の量が変わってくると思います。本書でおおまかな治療薬の全体像を掴んでから、さらに突っ込んだ勉強をすることを初期研修医にはオススメします。
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