オススメ度 ★★
(専門知識を学びたい人におすすめ)
医学生・研修医にとって必要となる組織病理写真を1冊に凝縮。医学生には国試に向けた知識の整理、初期研修医には研修義務化で必須となったCPCに役立つ。カラーアトラスとして写真を大きくレイアウトし、その解説はポイントを絞った箇条書を主体としている。シェーマも適宜取り入れ、病態の理解はもちろん、組織写真のイメージ(顔つき)が一目でわかるよう工夫。改訂版では最新の組織分類(WHO、各学会など)に対応した。(内容紹介より引用)
1. 内容
医学生、研修医向けの病理アトラスです。
序文にあるように、本書は① 医学生が病理学を円滑に学習するうえでの指針を示すこと、② 医師にとっての生涯教育を目的として作られています。
総論では各種病理用語(例:肥大、萎縮、脂肪変性、化生など)の写真付きの解説、各論では各臓器(循環器、血液、呼吸器、消化管、肝胆膵、腎泌尿器、生殖器、乳腺、内分泌、脳神経、骨軟部、皮膚)の疾患に特異的な病理所見をキレイな写真とともに見開き1ページで箇条書きでわかりやすく解説してあります。
2, 感想
久しぶりに病理の勉強をしたいと思って購入しましたが、病理診断のポイントや各疾患のステージングも、2015年時点の最新の分類が使われているので知識のアップデートに役立ちました。
総論にある用語解説はわかりやすく、各論に使われている写真やシェーマはどれも綺麗で、見るべきポイントには矢印が指されているなど丁寧に作られている印象でした。本の帯にあるように、初学者である医学生や研修医向きの本だと思いました。
3. 他書との比較
以下、個人的な感想です。
■ カラールービン病理学―臨床医学への基盤 日本語版(2007/11 出版)
オススメ度 ★★
2007年出版とやや古めですが、写真やシェーマが多く読み進めやすく工夫されています。臨床との関連に関する記述も多く、ガッツリ取り組みたい人にはオススメです。2015年にエッセンシャル版が出版されており、通読するにはそちらでも良いかなと思います。
■ 標準病理学 第5版 (Standard Textbook) (2015/4/9 出版)
オススメ度 ★★★
上記の「ルービン病理学」と構成はほぼ同じで、こちらも理解しやすくなっています。ただし、初学者には内容が重すぎるかもしれません。
■ ロビンス基礎病理学 原書9版 日本語版(2014/9/1 出版)
オススメ度 ★
紙面はきれいですが、文章が多いわりにはまとまりに欠けていて取っつきづらい印象です。Amazonのレビューで指摘されていますが、用語が直訳であったり読みづらかったりと初学者にはオススメできません。読むなら英語版が良いでしょう。
- 作者: 坂本穆彦
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図解入門よくわかる病理学の基本としくみ (メディカルサイエンスシリーズ)
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