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【書評】 内科で出会う 見ためで探す皮膚疾患アトラス 【感想】

内科で出会う 見ためで探す皮膚疾患アトラス

オススメ度 ★★

(専門知識を学びたい人におすすめ)

1. 内容

タイトル通りの内容です。皮膚科非専門医が、診断に近いところに到達するのを支援することを目標にしたアトラスです。「頭のてっぺん」から「足の裏」まで「内科で出会う皮膚疾患」が写真付きで掲載されています。皮膚所見の説明と診断のポイント、治療法、専門医からのアドバイス、専門医紹介のポイントと内科でまず行うべきことがほぼ全てカバーされています。見た目によってパート分けされているため、目の前の所見と本の中の該当箇所を照らし合わせることができます。例えば、「下腿の腫脹」のなかに蜂窩織炎、壊死性筋膜炎、うっ滞性脂肪織炎、深部静脈血栓症、結節性紅斑などの疾患が割り振られています。

2. 本書の特徴

皮膚科の本にとって重要なことのひとつですが、カラー写真が充実しています。1ページに3~4枚はあり、所見の解説もあります。さらに、見た目から皮膚疾患が探せるため、皮膚所見に迷ったときでも検索に迷うことがありません。単一皮膚疾患の典型例、非典型例まで同一疾患のバリエーションが豊富で、軽症例から重症例まで多彩な写真があります。

3. おわりに

一般内科診療では多彩な皮膚所見を訴えてくる方がいます。皮膚所見が内臓疾患の手掛かりとなる疾患も多く、「皮膚は専門外だから即終了」というわけにもいかず……かといって皮膚科の本をめくるのも何が何だかよくわからない……個人的にそういうことが多かったように思います。

本書のような非専門医にもとっつきやすいアトラスは大変勉強になりましたし、読み込んでいくことで臨床能力が上がっていくのではないかと感じました。本書が良著であったので、もう一冊の類書も購入してみようかと考えています。


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