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【書評】 胃食道逆流症(GERD) 診療ガイドライン2015 【感想】

胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015(改訂第2版)

オススメ度 ★★

(専門知識を学びたい人におすすめ)

1. 内容

日本消化器病学会が編集した「胃食道逆流症(GERD:Gastroesophageal Reflux Disease)の診療ガイドライン2015」です。他のガイドラインと同様にクリニカルクエスチョンをエビデンスに基づいて統合・編纂した構成になっています。内容としては「疫学」「病態」「診断」「治療」のほかに「上部消化管術後食道炎」「食道外症状」の記載があり、胃食道に逆流をきたしうるものについて抜かりなくまとまった一冊となっています。

2. 本書の特徴

消化器病学会編集のガイドラインと同じ構成で見開き1ページに必要な情報が詰まっています。クリニカルクエスチョンに対するステートメント、エビデンスレベル、推奨の強さと文献一覧のスッキリした構成です。

3. おわりに

GERDはよくあるcommon diseaseですが、このガイドラインでは結構豆知識的なところまで書いてあってなかなか面白く読めました。

たとえば、「激しい肉体運動はGERDの誘発因子となるか?」というクリニカルクエスチョンには「激しい肉体運動はGERを増加させるが、GERDを誘発させるかどうかは不明である」と書いてあったり(この質問はいったい?)。ちょっと知的好奇心を満たすような内容も散見されました。

「GERDに対してはPPI出して終わり」とだけ思っている人には一度読んでみてほしい内容が詰まっています。
 
 
 

胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015(改訂第2版)

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