【書評】 救急外来 ただいま診断中！ 【感想】

オススメ度　★★★

（基礎から学びたい人におすすめ）

1. 内容

2015年12月に発売された、順天堂大学練馬病院の屋根瓦式の研修医教育プログラム(勉強会)から生まれた研修医向けの救急本です。
内容は全部で22項目に分かれており、意識障害、失神、けいれん、ショック、アナフィラキシー、敗血症、頭痛、胸痛、腹痛、吐下血、めまい、低血糖、脳卒中、めまいなど救急外来で出会うcommonな疾患を中心にまとめられています。約480ページと分厚い本ですが、用語の定義・分類や鑑別診断の表が紙面にギッシリと詰まっています。本書にとりあげられている疾患はcommonなものが多いですが、引用されている文献は他書より新しいものが多いです。

2. 本書の特徴

本書の特徴は ① 診療のプロセスが明瞭なところ、② 著者の熱い気持ちが伝わってくるところ、③ 平易な言葉、会話形式で理解しやすいところでしょうか。特に「救急外来の検査の３種の神器：血液ガス、エコー、心電図」はこれでもかというくらい本書に登場しますし、対話形式の研修医との問答もかなり長いので読み応えがあります。

3. おわりに

パッとみると、よくある救急外来の本のひとつのようですが他の本にはない視点で書かれているコラムもあり非常に面白い本でした。すぐに活かせる知識が満載で、救急外来に関わる人なら一度読んでおいて損は無いと思います。
　
　
　

救急外来 ただいま診断中!

あなたも名医! 夜間外来であわてない! ―エビデンスに基づく診療の極意 (jmed43)

研修医当直御法度 第5版

研修医当直御法度 百例帖 第2版

あなたも名医!もう困らない救急・当直〈ver.2〉キュウキュウニガテ医師からウデキキ医師へ変身! (jmed mook)

動きながら考える!内科救急診療のロジック