【書評】 消化管の画像診断 (画像診断別冊KEY BOOKシリーズ) 【感想】

　

オススメ度　★★

（専門知識を学びたい人におすすめ）

1. 内容

画像診断で有名なKEY BOOKシリーズの最新刊です。
約380ページに渡って食道から肛門までの消化管疾患の画像診断が多数収録されています。他のKEY BOOKシリーズと同様に見開きで1疾患「内視鏡所見とCT/MRI所見」「読影と鑑別診断のポイント」が記載されており、非常に読みやすい構成です。

食道～胃と大腸に関しては、上下部内視鏡検査の所見がふんだんに盛り込まれており、内視鏡所見とCT/MRIとの対比が本書の強みの一つと思われます。各疾患についての一般的知識も必要十分な量が文献を交えて解説されており、たいへん勉強になります。

2. 本書の特徴

① 内視鏡所見とCT/MRIの対比
　系統立てて比較している本は、ありそうであまり無かった気がします。
「この内視鏡所見が、腹部CTではこう見えるのか」と唸るページもありました。
② 見開きで1疾患
　KEY BOOKシリーズの特徴であり、読みやすく理解しやすい構成です。
　少ないページで必要十分な解説があります。
③ 消化管の画像診断本
　何冊か他書にも同様の本がありますが、まず初めに読みやすい本です。

3. おわりに

腹部画像診断の本のなかでも理解しやすく、取っつきやすい本だと思います。
ただ上下部内視鏡に関してさらに勉強したい人には「消化器内視鏡」「胃と腸」などの専門書がオススメです。たとえば、↓のほうが内視鏡所見と疾患については網羅されています。拡大内視鏡などさらに突っ込んだ勉強をしたい人は他書を読む必要があります。

消化器内視鏡 14年10月号 26ー10 食道病変!これ1冊

消化器内視鏡 第24巻11号 20 これは役立つ十二指腸病変アトラス (消化器内視鏡2012年11月号)

消化器内視鏡 14年12月号 26ー12 大腸疾患アトラス

本書は一通りの代表的な消化管疾患が網羅されており、消化器疾患に出会う可能性のある科にとっては本書が手元に一冊あるとアトラスとして有用だと思います。他のKEY BOOKシリーズ（肝胆膵・婦人科など）と併せて情報の補完をしたり、消化管疾患の勉強したりするにもオススメの一冊です。

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