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【書評】早期胃癌2018(胃と腸 2018年 5月号増刊号)【感想】

胃と腸 2018年 5月号増刊号 早期胃癌2018

 いきなり他誌の話で恐縮だが,日本胃癌学会の機関誌である「Gastric Cancer」のインパクトファクター(2016/2017)がついに5.454と5点台を超えた.日本発の癌関連英文誌が5点を超える時代が来るとは夢想だにしなかったが,この出来事は,わが国の胃癌研究がこれまで世界をリードし続けてきた証しとも言えよう.長らく診療に携わってきた者の一人として同慶の至りであるが,本誌の序に代えて,ここに至る道程を少し振り返ってみたい.
序説より引用:http://medicalfinder.jp/doi/abs/10.11477/mf.1403201346

オススメ度 ★★★★

(消化器内科、内視鏡医におすすめ)

内容

2018年時点での早期胃癌についての知見をまとめた一冊です。
具体的には早期胃癌の疫学、病理、検査、診断の基本、H.pylori感染・未感染の胃癌とH.pylori除菌後胃癌、早期胃癌の治療・予後、特殊な組織型を呈する早期胃癌(Epstein-Barr virus関連胃癌、カルチノイド・内分泌細胞癌、肝様腺癌、胎児消化管類似癌、胃底腺型腺癌)、遺伝子検査の現状と未来……など。
 

本書の特徴

早期胃癌の疫学から基本的な内視鏡観察の方法(見逃しやすい部位はどこか?などの基本)、画像強調併用拡大観察(VS classification system)、胃癌治療ガイドライン第5版等の最新のガイドラインの変更点、外科的治療、特殊な胃癌まですべてがこの一冊にまとまっています
 

おわりに

「早期胃癌2009」から9年が経ち、本書「早期胃癌2018」が発売されました。本書を読むと、胃癌診療が物凄いスピードで進化していることがよくわかります。今の時代の内視鏡医に必要な知識が網羅されているので、よくまとまっていてすでに知っている知識であっても復習できますし、内視鏡医には必読の一冊だと思います。
 
 
 
 

胃と腸 2018年 5月号増刊号 早期胃癌2018

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胃癌治療ガイドライン 医師用 2018年1月改訂 第5版

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