6年ぶりの改訂となる本書は、従来からの項目については2009年版(~2007年4月)以降の2007年5月から2013年12月までの文献を、新規・変更項目については1992年以降(初版同様)の文献を検索し、さらに2014年1月以降の文献からも、委員会として妥当と判断した重要文献はハンドサーチ文献として採用した。その結果、2009年版で検索した1万件を遥かに凌ぐ、2万3,000件以上の文献から、本委員会のエビデンスレベル分類に従って採択し、推奨グレードを評価した。
紹介文より引用:http://www.kk-kyowa.co.jp/stroke/index.html
オススメ度 ★★
(専門知識を学びたい人におすすめ)
内容
脳卒中関連5学会が総力を挙げて作成した「脳卒中治療ガイドライン2015」は、2004年・2009年に発売されていたものの全面改定版です。
内容は「脳卒中一般(超急性期管理、合併症対策など)」、「脳梗塞・TIA」、「脳出血」、「くも膜下出血」、「無症候性脳血管障害」、「その他の脳血管障害」、「リハビリテーション」に大分類されています。
たとえば、高血圧患者では脳卒中予防のために血圧140/90mmHg未満が強く勧められる(グレードA)、蛋白尿や糖尿病合併例では130/80mmHg未満、後期高齢者では150/90mmHg未満を目標とすることを考慮してもいい(グレードC1)、2型糖尿病患者ではスタチン投与が強く勧められる(グレードA)、喫煙は脳梗塞・くも膜下出血の危険因子であり禁煙が強く勧められる(グレードA)などなど……。
本書の特徴
超急性期の管理からリハビリテーションまで膨大なエビデンスを整理・網羅した分厚い一冊です。病態によって推奨度が明瞭に示されているので非常に読みやすい構成となっています。
おわりに
ちいさな病院では常勤の脳神経外科や神経内科がいないことがほとんどです。
さらに、夜間救急では専門外であろうと一人で脳卒中に対応しなければならないことが多々あります。そういう時にこの一冊があれば役に立つのかなと思って購入しました。実際、知っている内容も多かったのですが、厚いわりには読みやすく具体的な内容が多くて面白く読むことができました。
Wikipediaでは脳梗塞などの項目に未だに「脳卒中治療ガイドライン2009」の内容が引用されています。医療関係者はインターネット上の情報だけではなく、学会やガイドラインなどでアップデートされた情報を自分から得ていく態度であるべきと思います。
- 作者: 日本脳卒中学会脳卒中ガイドライン委員会
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レジデントノート 2017年12月 Vol.19 No.13 一歩踏み出す脳卒中診療〜患者さんの生命予後・機能予後をよくするための素早い診断・再発予防・病棟管理
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