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【感想】 腹部超音波ポケットマニュアル 【書評】

腹部超音波ポケットマニュアル

オススメ度 ★★★

(超音波をする機会のある人におすすめ:検査技師、医師)

1. 内容

腹部超音波の初心者から指導者や中級者まで幅広い層を対象とした本です。

2011年出版のちょっと古めの本ですが、これまで第5刷まで増刷されています。「日本超音波学会推奨の走査手順」を基本として、手書きのシェーマとエコー・CT画像の対比が各臓器別にまとまっています。臓器別としては「肝臓・門脈」「脾臓」「胆嚢・胆管」「膵臓」「腎臓・副腎」「膀胱・前立腺」「消化管」「腹部大動脈」「子宮・卵巣」の項目に分かれていて、走査の目的(どこを見るか?)・方法(どうやって見るか?)・コツ(どのように見るか?)を基本として、特徴的な所見(~ sign)の参考画像が載せられています。巻末には会話略語や英会話が書いてあります。
 

2. 本書の特徴

実際のCT画像を用いて解剖や走査法、症例の説明を行っていることは最近の本ではよくある内容ですが、本書ならではの走査のコツが随所に書いてあること、最新の病期分類や外国人が来院した場合の英会話(!?)まで載っていることが他書との相違点でしょうか。あとは何といっても白衣のポケットに入るほどコンパクトな本なので、わからなかった点をサッと見返す用途にピッタリです。
 

3. おわりに

腹部エコーをするうえで大切なことは「解剖の理解」「断面を頭の中で3Dで再構築する」「エコーのピットフォールを理解すること」だと思っていますが、本書には様々なエコー断面が載っていて大変勉強になりました。

エコーは、基本知識を付けた後は実践あるのみだと思いますので、本書をエコー室や救急外来に持っていって活用したいですね。サイズのわりに内容は実践的なので本書が手元にあればあまり困ることはないと思います。
 
 
 

腹部超音波ポケットマニュアル

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