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【書評】 薬がみえる vol.2 【感想】

薬がみえる vol.2

オススメ度 ★★★★

(医療関係者みんなにおすすめ)

1. 内容

薬がみえるシリーズ 第2弾です。代謝内分泌、産婦人科、血液、免疫アレルギー、眼・耳・皮膚に関する「薬と病気の関連」を、お馴染みの紙面構成でわかりやすく解説してあります。総ページ数の半分くらいは糖尿病と内分泌の説明に割かれています。最近の流行り(?)のSGLT2阻害薬NOAC(最近はDOACと言うみたいですが)の作用機序や懸念点についても書いてあります。実臨床で教わらないような、似たような薬の細かな違いと使い分けの理由が理解できます。たとえば、多種多様な脂質異常症の薬の違いも細かく書いてあります。

2. 本書の特徴

vol.1 と同じで紙面構成や図表の多さ、理解しやすさは申し分ありません。
代謝内分泌や免疫アレルギーの薬は非常に種類が多くてややこしいうえに新薬もボンボン出てきているので、本書ではまさに知りたかったところが知れる解説がされていて感動するほどです。新しい本で新薬についてこれほどまとまっている本は他にあまりないように思います(自分で薬剤の情報収集したり、説明会を聞いたりしないと情報が古くなりがちで知識が偏ります)。
約3600円とリーズナブルなところもシリーズ恒例でたいへん良いところです。
 

3. おわりに

発売直後に購入しましたが内容が濃くて読み通すのに時間がかかりました。物凄い勢いで新薬が発売されて治療法の選択肢が増えたり、古い治療法がスタンダードではなくなっていたりすることに驚きます。普段あまり処方しないような眼・耳・皮膚の薬のことを詳しく知れたのは面白かったです。どうしても自分の専門科以外の情報はあまり入ってこないので、こういう本で少しでも知識を補充していきたいですね。vol.3、vol.4は2016年発売予定ということで期待しています。

学生の人には内容がカッチリしすぎてて、あまりピンとこないかもしれませんが、勉強しておくと後々すごく役に立つと思います。


薬がみえるvol.1

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薬がみえる vol.2

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