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【書評】 日本臨床 2015年7月号 特集:酸関連疾患 【感想】

>日本臨床 2015年 07 月号 [雑誌]

オススメ度 ★

(知識をさらに深めたい人におすすめ)

1. 内容

GERD、FDなどの胃酸に関連した疾患の特集です。胃酸の分泌機構(H+,K+-ATPase)の図説、欧米との酸関連疾患の比較、日本人の年代別胃酸分泌の推移についての総説から、GERD、NERD、NSAIDs潰瘍、胃十二指腸潰瘍、急性胃粘膜病変、バレット食道、機能性ディスペプシア、好酸球性食道炎、H.pyroli陰性胃癌の病態の解説、カリウムイオン協業型アシッドブロッカー(P-CAB)、漢方薬など最新の薬理学まで幅広くまとめられています。

2. 本書の特徴

月刊誌ならではの最新の診断・治療に関する知見が多いところが良い点です。分子的な話もあり専門的ですが図表の引用が多くて誰でもわかるような内容がほとんどです。

3. おわりに

個人的には「NERD患者には食道粘膜の酸に対する知覚過敏が存在する」「六君子湯はPPI抵抗性NERD患者に対して症状やQOLの改善に有効性を示す可能性がある」「欧米では最も増加率の高い癌がBarret食道癌」といった所が目につきました。これといった目新しい内容には乏しいですが、GERD、NERD、FDなどの踏み込んだ知見を得たい人は、読んでみて損は無いかと思います。


日本臨床 2015年 07 月号 [雑誌]

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