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【書評】 糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第6版 【感想】

糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第6版 日本糖尿病学会専門医取得のための研修必携ガイド

オススメ度 ★★

(専門知識を学びたい人におすすめ)

1. 内容

日本糖尿病学会の新しい「糖尿病専門医研修カリキュラムチェックリスト」「糖尿病専門医研修カリキュラム」に完全対応したテキストです。B5判で514ページの分厚い本ですが、糖尿病の定義から始まり、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病についてはもちろん高齢者糖尿病、外科手術時・ICUでの管理、肝疾患・膵疾患・悪性腫瘍による糖尿病、糖尿病合併症の管理、食事運動療法から最新の薬物治療、心理的問題から社会的問題まで、糖尿病のあらゆる側面に対応したパーフェクトな一冊だと思います。糖尿病の勉強がこの一冊だけで完結するほど圧倒的な内容で、日本糖尿病学会が総力を注いでいるだけのことはあります。

2. 本書の特徴

糖尿病の診断から治療まで2014年時点の全ての情報が網羅されています。日本糖尿病学会のお墨付きの本なので、糖尿病について知りたいことはほとんど載っていて、本書を超えるものは見当たりません。ただし、具体的な処方例や症例には乏しいので、症例を学ぶには他書が良いと思います。そして糖尿病はSGLT2阻害薬をはじめとした新規薬剤が次々と登場してきているので、薬剤に関する知識のアップデートは本書以外にも必須です。

3. おわりに

2030年には、全世界で5億5200万人が2型糖尿病になると推定されているようです。糖尿病のようなcommon diseaseを専門医がどんな視点から見ているのか知ることは非専門医にとっても重要だと思います。そして、どの科の専門であっても糖尿病は本気で勉強しておいて絶対に損をしない領域だと思います。

自分は糖尿病専門医ではありませんが、糖尿病専門医にオススメされて本書を購入しました。専門医を目指す人向けの本なので、非専門医にとってはやりすぎ? というくらいの情報量がありますが、大きな病院にいる時には本書のような専門医向けのテキストで一通り勉強しておくと「どんなことをコンサルトすればいいのか?」「どんな話をすればいいのか?」という指針が立ちやすくなりますし、実際、非常に役に立っています。


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