medicina(メディチーナ)は「いかに診るか」をコンセプトに臨床医の診療に不可欠な情報をプラクティカルにまとめた毎月の特集、知識のアップデートと技術のブラッシュアップに直結する連載も充実の総合月刊誌です。幅広い内科診療に共通の知識・技術が満載の増刊号も発行しています。
オススメ度 ★★★★
(この分野に関わる人すべてにおすすめ)
(初期研修医におすすめ)
1. 内容
見逃したら一巻の終わりの危険な二次性頭痛から、片頭痛に代表される外来患者に非常に多い一次性頭痛の対処まで、頭痛診療に関する幅広い知識が系統的に得られる特集になっています。
頭痛問診のテクニック、たとえば「どのような頭痛ですか?」「これまでに同じような頭痛はありましたか?」「時々頭痛が起こるようになったのは中学生、高校生くらいからですか?」「まったく頭痛のない日はひと月に何日くらいですか?」「頭痛でつらいときはTVを消したりボリュームを下げたりしますか?」「部屋を暗くしたり、カーテンやブラインドを閉めたりすることが多いですか?」のようなことから、外来診療のテクニック、たとえば「患者が診察室に入室し、着席するまでの一挙手一投足に注意を払う」「血圧を測定する」「患者の表情や受け答えにも注意を払う」「頭部・顔面に外傷痕がないかを確認する」「夜間や早朝の時間外の頭痛はそれなりの受診理由があるはずであり、CT検査は必須であると考えたほうがよい」のような基本的な部分についても、ひとつひとつ詳細な記載があります。
もちろん、よくある片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の診療のポイントから、見逃しがちな椎骨動脈解離、側頭動脈炎、中耳炎、副鼻腔炎、環軸間接偽痛風(crowned dens syndrome)、髄膜炎、緑内障などの症例呈示も豊富です。
2. 本書の特徴
頭痛診療の基本的なポイントは全て網羅しており、雑誌ならではの新ガイドラインに基づいた最新の動向や今後の展望についても記載があるところが強みです。具体的な症例、処方例が多く、次の日から試してみようと思えることばかりです。
3. おわりに
本書には片頭痛の有病率は人口の8.4%、緊張型頭痛は22%強との報告があると書いてあります。個人的な経験でも、一般外来から救急外来まで頭痛を診る機会は多いほうなので、今回の特集はたいへん面白く読めました。最新の知識を補充して、いまいちど頭痛診療を整理したい人にとてもオススメです。
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