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【書評】 Hospitalist 特集:腎疾患 Vol.2 No.1 2014 【感想】

Hospitalist(ホスピタリスト) Vol.2 No.1 2014(特集:腎疾患)

Hospitalistは集中治療で有名なIntensivist(インテンシヴィスト)の姉妹本です。2014年に発刊が開始されました。入院患者の病棟管理だけではなく、地域医療連携を含めた外来診療のできるジェネラリスト(=Hospitalist)を志す人のためのクォータリーマガジンです。主な読者のターゲットは後期研修医のようですが、一般内科医・学生も想定して作られています。各特集では一般内科病棟で出会う疾患群について、各種文献を基にした様々なエビデンスがまとめられています。

オススメ度 ★★

(専門知識を学びたい人におすすめ)

1. 内容

腎疾患管理に必須の基本事項(腎機能評価、尿検査、画像診断)から始まり、急性腎障害(AKI)、造影剤腎症(CIN)、電解質異常(Na、K、Ca、Mg、P)、慢性腎臓病(CKD)、腎生検と腎臓専門医紹介のタイミング、ネフローゼ症候群、腎疾患の栄養管理、腎移植までカバーした非常にボリュームある内容です。若手腎臓専門医レベルの内容を目指したとのことで、腎疾患特集としては「専門医のための腎臓病学 第2版」のような成書レベルのクオリティになっています。

2. 本書の特徴

本特集は成書に匹敵する内容でありながら、実践的な症例呈示やコラムが多く、判断に迷うケースのポイントが非専門医の視点から面白く、わかりやすく書いてあります。この1冊を丸々読み終えるには1日では足りないくらいのボリュームです。基礎から応用まで幅広くカバーしているので、リファレンスとしても手元に置いておきたい、迷った時のもう1冊にもピッタリです。

3. おわりに

個人的に、非腎臓専門医には「専門医のための腎臓病学 第2版」「腎臓内科レジデントマニュアル 改訂第7版」の2冊+αくらいで十分かなと思っていましたが、2014年に本書が出て少し認識が変わりました。最新の知見に基づいたコラムは読み応えがありますし、若手専門医レベルの内容を持ってくるHospitalistという雑誌の熱意が紙面から伝わってきて感銘を受けました。

知的欲求を満たしたい方には非常にオススメの一冊です。


Hospitalist(ホスピタリスト) Vol.2 No.1 2014(特集:腎疾患)

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  • 出版社/メーカー: 診断と治療社
  • 発売日: 2015/04/21
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