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【書評】 消化器診療の疑問、これで納得!(レジデントノート増刊) 【感想】

オススメ度 ★★★★

1. 内容

初期研修医向けの消化器診療の本です。
外来、病棟、救急でのよくある悩み・疑問点について解説されています。

たとえば
・無症状でCEA、CA19-9が高値の患者はどう診療を進めるか?
・腹部エコーで膵嚢胞、膵管拡張を指摘された患者はどうする?
・胆のうポリープをどう扱っていくか?
・胃癌・膵癌の癌性疼痛のコントロール
・吐血・下血の鑑別診断と対応のポイント
・婦人科疾患と消化器疾患の鑑別のポイント
・消化管出血の緊急内視鏡の適応
・急性胆のう炎の保存的加療 or 外科的介入
・胆石性膵炎の診療のポイント
・腹部X線で見逃してはいけない所見
・カプセル内視鏡、小腸内視鏡の使い分け

……etc

上記のような疑問点が明解に解説されています。
実際にこれらで迷ったことのある人も多いのではないでしょうか

2. 本書の特徴

初期~後期研修医まで消化器で悩む診療ポイントが、図表やガイドラインを用いてわかりやすく解説されています。初期対応から具体的なフォローアップ法まで示され、内容充分で非常に理解しやすいです。症例を取りあげて解説している部分もあり興味深く読めます。ただし、2013年時点の情報であり、現在はC型慢性肝炎の標準治療は変わってきていることに留意が必要です。

3. おわりに

研修医が悩みがちな消化器診療の疑問点を集めるという珍しいコンセプトの本で、研修を終えた身分であっても非常に勉強になりました。レジデントノート形式で読みやすく、1~2時間もあれば通読できます。消化器診療にいまいち自信のない初期~後期研修医は本書を一読しておくとグッと自信が付くと思います。

“循環器診療”、“糖尿病診療”でも同様の本が出ていますが、そちらもオススメです。


レジデントノート増刊 Vol.17 No.2 新・日常診療での薬の選び方・使い方 〜日頃の疑問をズバッと解決!

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