オススメ度 ★★★★
(初期研修医におすすめ)
1. 内容
内科全体を網羅する実践的なテキストです。
「ワシントンマニュアルの日本語版」とも巷(?)では言われているようです。Part1「救急医療」Part2「カルテの書き方・レントゲン・CT・心電図の読み方」Part3「代表的内科疾患」Part4「疾患別問題集」Part5「頻用薬剤比較表」の計5パートに分かれています。
Part1にある持続投与量早見表は非常に便利です。ノルエピネフリン、ドブタミン、ドパミン、ニカルジピン、ジルチアゼム、イソソルビド、ニトログリセリン、ミダゾラム、プロポフォールの具体的な流量が一目でわかります。
Part3は代表的な内科疾患の解説に加えて、参考文献を示した具体的な処方例・治療例やクリニカルパールが多数記載されています。例えば、尿路感染症であれば亜硝酸塩試験は硝酸還元能のない菌(緑膿菌、ブドウ球菌、腸球菌、カンジダなど)では偽陰性になること、尿培養は10^5 /mL 以上検出された菌が起炎菌の可能性が高いこと……低酸素血症ではpulse oximetryの原理……急性腹痛で救急受診した高齢者の20~33%は緊急手術が必要なこと……腎機能障害+極めて高いLDH=腎梗塞を疑う……髄膜炎を疑った場合のアプローチ法……授乳中の薬剤は添付文書だけでは判断できない(国立成育医療研究センターの情報を参照する)などなど実践的で読んですぐに活用できることばかりです。
2. 本書の特徴
約3000円と格安でコンパクトに内科疾患が網羅されており、多くの文献・図表を用いて疾患・病態別のアプローチ法がわかりやすく記載されています。
3. おわりに
研修医にオススメの一冊ですが、卒後3~5年目くらいの内科でジェネラリストを目指す人にも有用な一冊であると思います。個人的にも外来診療から病棟管理まで困った時にかなり本書に助けられています。Part4が問題集という異色の構成で難問揃いですが、これも大変勉強になりました。興味のある方は是非手に取ってみてほしい一冊です。
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