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【書評】 プライマリ・ケアの現場で役立つ一発診断100 一目で見ぬく診断の手がかり 【感想】

プライマリ・ケアの現場で役立つ一発診断100―一目で見ぬく診断の手がかり

プライマリ・ケアの現場で役立つ一発診断100―一目で見ぬく診断の手がかり

オススメ度 ★★

(さらに知識を深めたい人におすすめ)

1. 内容

「一発診断」、いわゆる“snap diagnosis”に特化した本です。
病歴、身体所見、視診、検査結果によってその場で一発診断できる疾患が集められています。1例につき見開きで1~2ページ内に収められていて、症例ごとに写真や図が載っているため、非常にわかりやすい構成です。一発診断の根拠、診断基準、鑑別診断、ピットフォールの記載もあり、ただ診断を付けるだけではなく他の病気との相違点・鑑別の勉強にもなります。

2. 本書の特徴

一発診断の根拠が明示されている
 しっかり鑑別診断のポイントも記載されています。
写真、図表が多く理解しやすい
 1症例に最低1つは画像が付いていてわかりやすいです。
整形外科、皮膚科も含めた多彩な疾患が収録
 内科、外科に限らず整形外科、皮膚科、婦人科など多彩な疾患があります。
 全部当ててやるぞと思っていましたが、なかなか難しい症例もありました。

3. おわりに

救急外来や一般外来で遭遇し、一発で診断できる可能性のある疾患を集めた本です。ベテランは数多くの臨床経験から症例に応じてキーワードを拾いあげて一発診断を付けるものらしいですが、若手や研修医にとってはありふれた疾患でも経験が少ないため悩むことがしばしばあります。

先輩医師から丁寧な指導が受けられる病院であれば良いのですが、小規模な病院や周囲に頼りにくい環境に置かれた人(自分もそうですが)にとっては積極的に本を読み知識を付けることでしか少ない経験を補う方法はないと思います。そういった意味で、本書はベテランの経験を濃縮した一冊であり、駆け出しの初期研修医や自分のような臨床経験の少ない人、経験を補いたい人にとって有意義な一冊であると思います。本書にある100例を何度も何度も繰り返し読んで、似たような症例であれば迅速に診断し、治療に移れるよう努力していきたいです。

個人的には「尿閉解除後の血尿」や「precordial catch syndrome」、「ボルンホルム病」「総腓骨神経麻痺」「Terry's nail」「Sister Mary Joseph結節」が自らの経験と合わせて面白く読めました。


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