医学書の感想

実際に購入した医学書のレビューサイト

【書評】 外来を愉しむ 攻める問診 【感想】

外来を愉しむ攻める問診 (Bunkodo Essential & Advanced M)


救急では著名な山中先生の書かれた本です。
研修医時代、救急をローテートしたときに購入しました。

オススメ度 ★★★★

(研修医におすすめ)

1. 外観

BEAM(Bunkodo Essential&Advanced Mook)シリーズのひとつです。
卒後5-6年目までを対象とした特集テーマの単行本です。

2. 内容

「攻める問診」とは「ある疾患に特徴的な症状をパッケージにしてすばやく攻めたてること」のようです。一般的なsnap diagnosis、キーワードからの展開でうまくいかない場合に、可能性のある疾患に典型的な症状をパッケージにして患者に質問をぶつけていく(=攻める)ということです。

各論では浮腫、発疹、発熱、頭痛、めまい、失神、胸痛、呼吸困難、咳・痰、嘔気嘔吐、腹痛、下痢、腰痛、関節痛、四肢のしびれについて、「思考のステップ」「頻度の高い疾患」「見逃すとまずい疾患」「よくある疾患の典型的な症状」「クリニカルパール」が記載されています。鑑別疾患とクリニカルパールの項は簡潔で理解しやすくとても勉強になります。ただし、あくまで”問診”の本なので具体的な処方例やフォローアップについては記載されていません。

3. 本書の特徴

症候別のステップ別の思考過程が書いてある
 ステップ別で理解しやすく、実践的な内容です。
多彩な鑑別疾患、クリニカルパール
 クリニカルパールはハッとさせられるものばかりです。

4. おわりに

除外すべき鑑別疾患を念頭に置きつつ、効率よく診断にたどり着くために必要な論理的思考法が豊富に書かれています。もう困らない救急・当直ジェネラリストのための内科外来マニュアルなど、同様の本はありますが、一度目を通しておく価値はあると思います。自分は鑑別に困った時には本書を開いて、一から考え直すようにしています。


外来を愉しむ攻める問診 (Bunkodo Essential & Advanced M)

外来を愉しむ攻める問診 (Bunkodo Essential & Advanced M)

ジェネラリストのための内科外来マニュアル

ジェネラリストのための内科外来マニュアル

研修医当直御法度 第5版

研修医当直御法度 第5版

研修医当直御法度 百例帖  第2版

研修医当直御法度 百例帖 第2版